Addiction ギャンブル依存症:家族が「突き放す」選択とその効果

ギャンブル依存症:家族が「突き放す」選択とその効果

ギャンブル依存症の家族を支えるのは非常に大変です。
何度助けても繰り返される借金や嘘に、精神的にも経済的にも追い詰められてしまうことがあります。
そのような中で、家族が「突き放す」という選択肢を考えるケースもあります。

この記事では、ギャンブル依存症者に対して突き放すことの意義や、その効果、そして注意点について詳しく解説します。
家族がどのようにサポートを継続できるのかを考えるヒントとしてお役立てください。

突き放すという選択肢とは?

突き放すという選択肢とは?

愛情のある距離を取る

「突き放す」とは、単に依存症者を見捨てることではなく、相手に責任を持たせ、自立を促すために距離を取ることを指します。

  • 支援の形を見直す
    無制限に助けるのではなく、依存症者自身が問題に向き合うための余地を作ります。
  • 共依存を避ける
    家族が過剰に支援することで、依存症者の問題行動を助長する「共依存」の関係に陥ることを防ぎます。

突き放す理由

  • 本人に自覚を持たせるため
    家族が手を差し伸べることで、依存症者が自分の問題を真剣に考えない場合があります。
    突き放すことで、自分自身で行動を見直すきっかけを与えます。
  • 家族自身を守るため
    家族が経済的・精神的に疲弊してしまうと、依存症者を支える力も失われます。
    家族の心身を守るためにも、適切な距離が必要です。

突き放す具体的な方法

突き放す具体的な方法

1. 経済的支援を止める

効果

  • 依存症者が借金や浪費を繰り返すことを防ぎます。
  • お金の管理を自分で行う責任を持たせることができます。

実践例

  • 借金の肩代わりをしない。
  • 生活費やギャンブル資金を直接渡さない。
  • 金銭管理をサポートしない。

2. 厳しいルールを設定する

効果

家族が一定のルールを設けることで、依存症者が責任を持って行動するようになります。

実践例

  • 嘘をついた場合やルールを破った場合は支援を停止する。
  • 家庭内でギャンブルに関連する話題や行動を禁止する。

3. プロフェッショナルに頼る

効果

家族だけで抱え込むのではなく、専門家の力を借りることで依存症者に適切な治療を受けさせることができます。

実践例

  • ギャンブル依存症外来への受診を勧める。
  • 自助グループ(GAなど)に参加させるよう促す。

突き放す際の注意点

突き放す際の注意点

感情的に突き放さない

突き放すときは、感情的に怒ったり、見捨てたりするような態度は避けるべきです。
冷静に話し合い、依存症者自身の問題を解決するために必要な行動であることを伝えましょう。


完全に関係を断ち切らない

依存症者が本当に助けを求めたときに、支援できる準備を整えておくことが大切です。
突き放しすぎて孤立させると、依存症がさらに悪化する可能性があります。


家族ができること

家族ができること

自己防衛を最優先に

家族が健康であることが、依存症者の回復を支えるための第一歩です。
経済的負担や精神的疲労を軽減するために、家族自身も専門家に相談することをおすすめします。


自助グループに参加する

依存症者だけでなく、家族向けの自助グループも多く存在します。
同じ悩みを持つ人々とつながることで、孤独感が軽減され、適切な対応方法を学べます。


突き放した結果、依存症者が変わること

突き放した結果、依存症者が変わることも

成功事例

ある女性の家族は、依存症者に対して「もう借金は肩代わりしない」と明確に宣言しました。
最初は怒りや反発がありましたが、その後本人が借金問題と向き合い、専門機関に通い始めました。
現在ではギャンブルをやめ、安定した生活を送っています。


突き放す選択をする前に考えること

突き放す選択をする前に考えること
  • 突き放す目的は何か?
    相手を罰するのではなく、依存症の改善を目指しているかを確認しましょう。
  • 専門家に相談しているか?
    専門家のアドバイスを受けながら対応することで、より効果的に行動できます。

まとめ:突き放すことは愛情の一つの形

まとめ:突き放すことは愛情の一つの形

ギャンブル依存症者を突き放すことは、簡単ではありません。
しかし、それが本人に責任を持たせ、依存から抜け出すきっかけとなることもあります。
大切なのは、見捨てるのではなく、適切な支援の形を見直しながら家族自身も守ることです。
まずは専門家や自助グループを活用し、支援のバランスを見極めていきましょう。

Kenji Hashimoto

Kenji Hashimoto

コラムニスト
橋本賢司は、ギャンブル規制とコンプライアンスの分野で15年以上の経験を持つ専門家です。早稲田大学法学部を卒業後、2008年にマルタに渡り、オンラインゲーミング業界でキャリアをスタートしました。マルタゲーミング管理局(MGA)のライセンスを持つ複数の事業者で、コンプライアンス・オフィサーとして勤務。その後、ジブラルタルに拠点を移し、大手オンラインカジノ運営会社で規制対応部門のマネージャーを5年間務めました。この期間中、EU各国の規制変更への対応、責任あるギャンブリング・プログラムの実装、AML(マネーロンダリング防止)システムの構築に携わりました。2019年に日本に帰国後は、国際的な視点から日本のギャンブル規制を分析し、海外の規制事例やベストプラクティスを日本の読者に紹介しています。特に、プレイヤー保護措置、自己制限ツール、依存症予防プログラムの実効性について、実務経験に基づいた記事を執筆しています。マルタ大学でゲーミング法の修士号を取得。日本語、英語に加え、基礎的なイタリア語も話します。

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