ギャンブル依存症の治療について

日本では、ギャンブル依存症のリスクを持っている人は550万人以上いると言われています。非常に身近であり、誰でもふとしたきっかけで陥る可能性があるギャンブル依存症には、どのような治療法があるのでしょうか?

治療というとまずは「薬物療法」が思い浮かびますよね。アルコール依存症も薬物依存症にも薬物療法が利用されています。

しかし、今のところギャンブル依存症への投薬療法は確立されていません。ギャンブルの欲求を抑える薬は残念ながらまだ開発されていないのです。

※「うつ病」「ADHD」「強迫性障害」などの精神疾患が引き金となっている場合は、疾患に合わせた投薬を行うことはあります。

ギャンブル依存症の治療としては、心理療法(行動療法、認知行動療法)が有効とされています。

「自分はギャンブル依存症という病気なのだ」ということをまず自分自身が認めて、「どうしてギャンブルをやってしまうのか?」「ギャンブルをやることでどういう弊害があるのか?」など内省して、理解することが重要となります。

しっかりと自分の中で問題点を整理できてこそ、「改善するために次はどういう行動をすれば良いのか」がみえてくるのです。

こういった心理療法を行える場所としては、精神科の病院、クリニックなどがあげられます。どうしてもギャンブルを抑えられない場合は、入院治療が行われる場合もあります。

しかし、ギャンブル依存症に精通した医療機関はそれほど多くはないのが現状です。適当に病院を選ぶのではなく、あらかじめ「ギャンブル依存症の治療歴があるのか?」を調べて来院する必要があるといえるでしょう。

また、医療機関と合わせてGA(ギャンブラーズ・アマノニクス)といった自助グループを利用するのも依存症の治療として有効です。

依存症で悩むメンバー同士で定期的にミーティングを開き、自分の中でもやもやしている部分を解放したり、自分が行った問題の解決方法を分かち合うことで、依存と向き合っていくのです。

GAは基本的に参加自由で、特に会費も必要ありません(各メンバーの献金で自主運営されています。金額や献金するかどうかはメンバーの判断になります。)

依存症は、きっかけがあれば簡単に再発してしまいます。一度思考回路に組み込まれてしまうと、一生残ってしまうものなのです。

「治る」とは考えず、「一生付き合っていくもの」という気持ちで治療を続けていくことが大切となります。