ギャンブル依存症の家族との向き合い方

ギャンブル依存症の克服には、家族の協力が必要不可欠となってきます。

ギャンブル依存症は「病気になっていることを本人が自覚しにくい」という特徴があるからです。

周りから見れば、明らかにギャンブルにのめり込みすぎているにもかかわらず、本人は

「ギャンブルは健全な娯楽だ」
「借金はあるけど、次こそは勝って取り返せるから大丈夫」
「その気になれば抑えることはできる」

といった偏った思考を持ちやすく、問題として捉えられなくなっているのです。

ギャンブル依存症の治療は、まず本人が依存症になっていることを認めることから始まります。

そこから、「どうして自分はギャンブルをやってしまうのか?」「ギャンブルを続けることで何が問題になるのか?」を内省して深掘りしていきます。

そういった過程を経て「改善するためには、今後どうした行動をとれば良いのか」が徐々に見えてくるのです。

どっぷりギャンブルにはまっている本人が気付かないなら、周りがサポートしていかないと解決の方向には進まないですよね。

だからと言って、「依存症になるのは意志が弱いからだ」「気持ちを切り替えればなんとかなる」と本人の努力任せにしたり、短絡的に「もうやめなさい」と止めようとするのでは、根本的な問題解決にはなりません。

依存症になっている状態では、本人の意志だけではどうにもならないことが多いからです。

また、本人は止めたいとは思っていても「自分はなんて意志が弱いんだ…」と悩んでいるケースもあります。

そこに「意志が弱いからだ」と言われてしまうと、余計ストレスから逃げるようにギャンブルにのめり込んでしまうことも考えられます。

もう1つやってはいけないのは、親切心から借金の尻拭いをしてしまうことです。

それでは「借金があってもなんとかなる」という思考になってしまい、本人が問題を自覚する機会がないからです。

「だったら、どうすればいいんだ」と不安に思われる方も多いと思いますが、具体的な行動に入る前に、まずは家族が専門の医療機関に相談すると良いでしょう。

医療機関への相談とあわせて「依存症についての講演会を聞く」「本を読む」などして、まずは周りの人がギャンブル依存症への理解を深めることが大切です。

「これだけあなたのことを心配して動いています」という行動を見せることで、本人の気持ちが変わることもあります。

まとめると、ギャンブル依存症の患者をお持ちのご家族は、以下のような姿勢が大切となってくるでしょう。

・本人の努力任せにしない
・経済的な援助はしない
・家族が専門の医療機関に相談する
・セミナーや本などで依存症のことを勉強し、理解した上で寄り添っていく

克服までに時間がかかるプロセスですが、根気よくギャンブル依存症のご家族と向き合い、前向きに取り組みましょう。